賃貸管理業務内容(クレーム対応編)
賃貸管理会社の仕事として、入居後のフォローも大切です。オーナーが最も煩わしいと感じる業務のひとつに入居者や近隣などからのクレーム対応があります。一口にクレームと言っても内容は様々ですが、大きく分類すると、「設備クレーム」と「対人クレーム」の二つに分けることができます。
設備クレームへの対応
設備クレームとは、その名の通りアパートの設備の不具合によるクレームです。雨漏りしている、蛇口の水が止まらない、トイレが詰まった、トイレタンクの水が止まらない、お湯が出ない、ガスが着かない、電気が付かない、テレビが映らない、など建物のすべての箇所が対象となります。
設備クレームを受けた時は、すぐに動ける時間帯であれば弊社スタッフまたは委託業者が駆けつけて状況を確認し、速やかに見積もりを取り、オーナー様に承諾を得て修繕の手配をするという流れになります。
しかし、業者と入居者様の都合が合わなかったり、オーナー様へのご連絡がすぐにとれなかったりと、上記の人物すべてに連絡をとり、都合の良い時間を合わせて段取りをするのになかなか時間がかかる場合があります。また、夜間や休日対応などの場合は特に、緊急性のあるものはある程度現場判断で施工しなくてはならない場面もあります。管理委託の契約書では、そのような場合の判断もお任せいただく内容になっています。
対人クレームへの対応
設備不具合の場合は修理すれば改善できますが、対人クレームは解決への対応が難しい場面が多々発生します。
代表的なものとしては騒音クレームです。上階の足音や声がうるさい、音楽がうるさい、早朝の目覚まし時計がうるさい、といったもので、すぐに直してくれる人もいれば、何度言っても変わらない人もいます。子供などは注意してもすぐに忘れてしまうこともありますので、完全に改善される状況を作ることが困難な場合もあります。人によってうるさく感じるレベルの違いもあり、「多少の生活音はお互い様」で我慢できるラインを両者どこに置くかという問題になってくるのですが、我慢できない方は退去してしまうこともあります。
他にも車の止め方とか、共有部の使い方、ゴミの捨て方、回覧板の回し方、など様々な内容の電話が一年中かかってきます。対応として共通するのは
- 片方の意見だけでなく両者の意見をしっかりヒアリングすること
- 個人に注意連絡をするときはしっかりと裏付けをとること
- できれば最初はポスティングなどで全入居者へ注意喚起すること
などは慎重に進めた方が良いでしょう。
その他のクレーム
ハチの駆除
意外と多いのが生き物に関するクレームです。さすがにゴキブリが出て連絡をしてくる方は滅多にいませんが、虫の出現クレームで一番多いのはハチの巣駆除です。だいたいがアシナガバチの場合が多く、日の暮れた時間帯もしくは雨の日(巣にハチが戻っているタイミング)にハチ用殺虫剤を噴霧すればすぐに駆除が完了します。気を付けなければいけないのがスズメバチで、巣が小さいうちで噴霧の届く範囲であれば市販の殺虫剤で対応可能な場合がありますが、それ以外は行政や業者に依頼することになります。
アリの駆除
意外と多いのが室内へのアリの侵入です。アリは建物の小さな隙間から隊列を組んで行進してきますので、見つけた時のインパクトが大きく、建物の隙間のせいで入ってきたという気持ちになります。穴を塞いで行進ルートが変わっても再び侵入してきます。場当たり的に殺虫剤を掛けても巣に届かなければ効果がありません。害虫駆除についてはまた別の機会に詳しく記事にしたいと思います。
爬虫類の駆除(室外)
ごくまれにヘビの出現で電話を頂く場合があります。しかし多くは室外での発見で、室外に生き物が現れるのは当然と言えば当然です。基本的なスタンスとしては気になる方は追い払ってくださいという対応になります。
コウモリの駆除
アパートの軒下や屋根裏、換気口にコウモリが住み着いていることもあります。糞で建物が汚れたり、稀に換気口から室内に侵入してしまうケースもあります。コウモリは業者に依頼し、専用の忌避剤などで対応します。
鳥の駆除(ハト・ツバメ)
糞害といえばハトなどの鳥の糞が建物や車に落ちてくるという場合で、だいたい上部に鳥がとまりやすいスポットがあります。電線の場合は、電力会社や通信会社などに連絡をすると電線に鳥よけを設置してくれます。建物の軒や雨樋などにとまってしまう場合は鳥をとまりにくくする棘状の部品を設置したりして妨害します。
厄介なのが鳥が巣を作ってしまった時です。一度巣を作って卵を産んでしまったら鳥獣保護法により雛が巣立つまで撤去できなくなります。特に春から夏にかけてツバメの巣が作られることが多く、糞が落ちる場所にシートを敷いておいたり、巣の下に棚を設置して地面に糞が落ちないようにして処置をします。
管理会社としての経験と臨機応変さが大切
弊社では他にも数えきれないパターンのクレームを毎日のように受けていますので、長年の経験でほとんどのケースは解消できます。必ずしも教科書通りの解決法で上手くいくわけではありませんので、その都度、起こっている事象をよく観察して臨機応変に対応していくことが重要になってきます。
特集記事
相続で困らないための
収益不動産売却
収益不動産の共有化や、法人所有にして関係者に利益の配分....
どれも問題の先送りです!
皆が「わかりやすい」と思えること、
それが一番良いのです。