
「沙織も23歳になったけど、まだまだ子供で心配です。伸一さんから清水家を継ぐために、養子に来られる男と付き合えと言われて、怒って伸一さんとは会話もしなくなってしまったし」
「伸一兄さん、そんなことを沙織ちゃんに言ったの。一人娘しかいない跡継ぎ長男のアルアルだね。義姉さんも色々と大変だね。明日は母さんを連れいくから、よろしくね」
最近、母親が墓の相続の話を良くするけど、将来にわたって墓を守る清水家の男子がいないことが、心配なのだと感じていた。
男子を産めなかった長男の嫁に辛くあたるのも仕方がないと思った。
まあ、あれだけの資産を相続するのだから、跡継ぎの男子を産めなかったと責められても仕方がないかな。
私は三男坊と結婚して、跡継ぎ息子も娘も生んで、佐藤家では出来た嫁だと自分自身を褒めることにした。
第2章 長女 佐藤 洋子 編