案4は、母親が娘の洋子の家で世話になっているからの案だと思うが、今のままだと母親の認知症が進んだ時に、不動産に関する契約が出来なくなる可能性があり、売却だけでなく賃貸契約にも影響するという事への対策のようだった。

信託契約書を作る上で、その内容で揉めるのではないかと思うし、洋子から母親を看取るまで面倒を看させるつもりかと言われそうで、この案は私からは説明し難いと思った。

今回、不動産会社の社長に相談してみて、このまま母親が不動産の管理を続けて行くのは、万が一、母親の認知症が進んだ時には現状の賃貸契約にも影響してきて、新たな賃貸契約を結ぶことも出来なくなる可能性もあることが判った。

今まで相続税の事ばかり考えていたが、母親の認知症による不動産経営や売買への影響は考えていなかったので、不動産会社の社長さんに指摘されて重大問題だと新たに認識して怖くなった。
不動産会社の社長に相談しなければ、気が付かなかったリスクだった。
母親が認知症になっても、自分が代理で賃貸契約や売買契約ができるだろうと安易に考えていたが、そんなに簡単な話では無いと解かった

やはり、母親がしっかりしている間に相続も含め、不動産の処置について対策を取っておくことが非常に重要だと認識した。

長男としての私の意見も添えて、後日に日程調整をして再度家族で集まって、不動産会社の社長さんにも説明の為に来てもらうということで、先ずはこの4つの案を幸次と洋子にメールで送って、洋子には母親にも見せるように頼んだ。

家族会議の日程調整をしようと連絡をしたところ、想像通り反応が幸次と洋子からメールされて来た。
幸次は、アパート経営をしたくないので案3は嫌だと、洋子からは、案4は母親を私がずうっと面倒を看ろという事なのとメールしてきた。

第3章 私にとって最適な相続